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「〈呪う〉と〈のろう〉」創世記12:3


「呪う者をのろう」。漢字の〈呪う〉とひらがなの〈のろう〉が使い分けられています。この違いは何でしょうか。

〈呪う〉は、“קלל”(カラール)という言葉で、冒涜や軽蔑を指します。〈のろう〉は、“ארר”(アラール)という言葉で、神からの裁きとしての〈のろい〉を指します。

『新改訳2017』は、「のろい」という言葉を、漢字とひらがなで訳し分けています。これは上記のような原語の違いに加え、その「のろい」をもたらす主体も考慮した結果です。人からの「のろい」は、〈呪う〉、神からの「のろい」は、〈のろう〉等、「のろい」をもたらす主体が人か神かという点も、翻訳の判断材料になります。    

 本日の箇所の場合、前半の「のろい」は、人からアブラムへの「のろい」であるため、漢字で〈呪う〉と訳され、後半の「のろい」は、神から人への「のろい」であるため、ひらがなで〈のろう〉と訳されています。