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「雲と火」民数記9:16


 幕屋を覆っていたのは「雲」であり、夜にはそれが「火」のように見えたとあります。なぜ雲と火なのでしょうか。

 まず単純に視覚的な効果があるでしょう。昼の雲はよく見えますし、夜でも火なら見えます。神の民が、昼でも夜でも幕屋に目を留めやすくなっています。

 もう一つ考えられることは、雲は日中の荒野の暑さを和らげるような涼しげな印象を与え、火は冷え込む夜の荒野をあたためるような印象を与える憩いのシンボルとなっていたということです。もちろん本物の雲と火とは、性質が違うと思われますので、実際に涼しかったり、暖かかったりしたかどうかはわかりません。

 これらのものは、あくまで推測に過ぎませんが、神の民は、あらゆる不安を呼び起こす荒野の生活においても、幕屋を見つめる時には、平安に満たされたことでしょう。また神様は、人間をあわれんで、配慮を尽くしてくださる愛のお方であることがわかります。