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「何か書いておられた」ヨハネ8:6


 説教の中で、ここでイエスが「何を書いていたか」については、この箇所で明らかにされていないので、そこをどれだけ掘り下げても想像に過ぎないものになってしまうと分かち合いました。ただこの箇所の説明において説得力のある考察もありましたので2つご紹介します。

 一つは、「続く7節でイエスが言う言葉を、先に地面に書いた」というものです。当時、ローマの法廷において裁判官は、判決内容をあらかじめ字で書いてから、それを読み上げて判決を下すという習慣があったために、それにならったのではないか、という意見です。

 もう一つは、「地面に『姦淫罪』と、この女性が犯した罪の罪状を書いた」というものです。書くというのは、記録や登録の行為でもありますが、イエスはこの罪状を、公式の文書ではなく、「地面」に書くことで、その罪をすぐに「消す」ことができるということ、つまりご自身の赦しの権威をあらわされた、という意見です。

 「何か書いておられた」とはユニークな御言葉で、考察や想像もいろいろと膨らみますね。