「悪魔である父」ヨハネ8:44

　本日の箇所でイエスは、自らに殺意を向けてくる者に対し、あなたがたの父は悪魔であると強く批判しました。

　このような御言葉が、反ユダヤ主義/ユダヤ人差別の根拠とされ、利用された歴史があることに気をつけなければなりません。イエスはユダヤ人一般を指してこのように言っているのではありません。真理なるイエスを拒む思いが「悪魔から来ている」と言っています。この思いはユダヤ人だけが持つものではなく、誰もが持ちうるものです。

　「悪魔」と、「悪魔の欲望に囚われた人間」を同一視してしまうと、特定の人種/人間に対する差別感情が生じます。イエスは、悪魔と、悪魔の欲望に囚われた人間を注意深く区別します。悪魔と「対決」することで、人間を悪魔の欲望から解放し、「救おう」としておられるのです。