イエス様は、地面に唾をし、泥を作られました。似た出来事を記すマルコ8章23節では、「泥」ではなく「唾」だけが使われています。ヨハネが、ここで「泥」と言ったのは、ここで神の創造の働きを読者に想起させるためだと思われます。
神は、人をお造りになる時、「大地のちり」を用いました(創2:7)。土をこねて人を造る神の創造の働きを想起させることで、泥で癒しを行ったイエスの働きを、神の「再創造」の働きとして描いているのかもしれません。
神の創造の光(創1:3)が見えなくなった人間の目を、イエスは再び開き、世の光としてのご自身を見るようにしてくださいました。
ヨハネは時に、イエスの働きを、神の創造と関連づける文学的な「しかけ」をします。例えば、カナの婚礼におけるイエスの最初のしるしは、ヨハネ福音書にイエスが登場してから「7日目」(神の創造の7日)の出来事として描かれています。イエスは、このしるしを通してご自身の「栄光」(「光」が鍵言葉です)を現しました(ヨハ2:11)。
コメントをお書きください