· 

「会堂から追放」ヨハネ9:22


 ユダヤ人による「会堂追放」については、資料が少なく確かなことはわかりません。ただこれについて最も詳しく考察している研究によれば、「会堂追放」には、3つの段階があったと推定されています。

 第一段階は、追放の前段階の「警告」。第二段階は、ユダヤ教社会における人付き合いの禁止。ただしこの段階では、家族付き合い、商売付き合いは認められ、原則30日間という定めがあります。第三段階は、第二段階の「30日間」を繰り返しても効き目がない場合のもので、人付き合いがより厳しく制限され、商売による利益をあげることの禁止、財産の凍結等がなされたようです。

 このように定式化された制度が、イエスの時代にもあったとは考えにくいのですが、今日の箇所には、このような制度につながる、自分たちと考えの違う者を追放するという当時のユダヤ教の宗教体質が見られます。